激安風俗行ったら毛じらみもらった話
人生は何事も経験だ。強烈な経験ほど過去の出来事であっても鮮明に覚えている。
これは私が20歳になるかならないか位の話。もう15年前の事かと思うと時間の流れの速さを感じる。
高校を卒業してから友達の影響で夜遊びを覚えた。キャバクラに始まり風俗に至るまで、お水業界は漢の欲望を満たす夢の国だ。
世間知らずだった私はご多聞に漏れず、色々な風俗に毎週のようにチャレンジしていた。友達と行くのが楽しかったのが大きいが、お金がない私たちは値段の安い店を狙っていたのだが、値段安い店は当たり外れの幅が非常に大きくて、そんな『ギャンブル感』も楽しみの一つだった。
そんなある日、紹介で知った某激安店に行ってから二週間が過ぎた頃、異変は起きた。
股間が恐ろしく痒い。痒すぎてマジで何も手がつかない。痒すぎて眠れないし、痒くて目がさめる。察しの良い方なら性病の類を疑うだろうが、私はバカな世間知らずの小僧だったからそんなことは微塵も感じるなかった。
そんな中、痒みの原因を知る出来事があった。私はその時まだ学生で、夜間の派遣バイトをやっていた。時期は今と同じく2月で警備員的な業務。とにかく寒くて、プラス痒くて。現場が暇だったこともあり何回もトイレに駆け込んでは股間をボリボリ掻きむしっていた。
ふと、なんでこんな痒いのかと漠然と思いつつ、掻きむしった手の指先を見た。そこには陰毛に絡まった毛玉が。
まあ、履いてるパンツは古くて毛玉くらいはついてるだろうと思った。
が、なぜか毛玉に小さな脚のようなものがついていた。ずいぶん虫みたいな毛玉だなと思い、さらに顔を近づけて毛玉らしき物体を見た。
…それはゆっくり、ゆっくり動いていた。
毛じらみだった。
全身から血の気が引いた。
2月という1年で最も寒い時期。外には虫なんているわけがない。だが、私の身体に毛じらみという虫が住み着き、イコール性病だという二重のショックで、私はその日のバイトを早退した。
次回、毛じらみの特徴と退治した話
に、続く。