人生は割と想定外

人生は割と想定外

様々なジャンルのニッチな話題を一方的な独断と偏見で深掘りしてく雑記ブログ

人間の三大欲求といえば、食欲、性欲、睡眠欲。半ば強引に、そして突然決まった人生初の入院はこれまでの私の浅はかで欲深い人生を見つめる良い期間になっている。


入院前の私はとにかく物欲しか無かった。目に映るモノは全て欲しい欲しい欲しい…の繰り返し。しかしお金は妻の仮面を被ったデーモン閣下に握られており、買えないから願うだけ。


が、しかし、今こうして不自由な入院生活を送りながら、気づいたことがある。

私は入院してから約10日間は絶食状態だった。まさかこんなに長期間食事できないとは思って無かったので、最初はいまいち現実感のないままダラダラ過ごしていた。出血するからという理由で移動は制限されて、慣れない点滴と血管が細いからという理由で左右で10発を超える注射。メシは食えずこんな拷問のようなことをされると、だんだん精神的に落ち込んでくる。


入院して絶食10日目くらいで先生から食事許可がおりた。その日から翌日朝の食事が始まるまでがとにかくつらかった。

そして、11日ぶりに食べた食事は…一言では表現するには困難な、本当に生きてて良かったと心から感じられる、とても美味しい食事だった。


その日は世間が休みにあたる日ということもあり、友人が何組か病室に訪ねてくれた。友人は私の趣味をよく理解してくれていて、一冊のエロ雑誌をお土産でくれた。彼らが帰った後、エロ本を眺めていた時だった。久々に感じるあの悶々とした感情、性欲が湧いてきたのだ。その瞬間、私は気づいた。性欲は食欲が満たされないと湧いてこないと。


治療の甲斐あって今は物欲にまみれている。ベッドの上でスマホ眺めながらアマゾンとヤフオクにアクセスする日々であるが、1日3回ある病院食の時間だけが楽しみな入院生活を送っている。